体育教師を経て丸久に入社。未経験からMDとしてキャリアを積み、主要取引先も担当している
体育教師を経て丸久に入社。未経験からMDとしてキャリアを積み、主要取引先も担当している
2010年代、丸久は大きな転換期を迎えていた。
バングラデシュに自社工場を設立し、従来の"企画力"に"開発力"という強みを掛け合わせ、
「企画メーカーから真のモノづくりメーカーへ」進化を遂げようとしていた時期だ。
一方で、アパレル業界全体は変化の渦中にあった。
価格競争が激化し、単なる"安くて良いもの"では差別化が難しくなっていた。
求められていたのは、素材や品質、背景にあるストーリーで"価値"をつくること。
その中で、一人の未経験者が丸久の新たな可能性を切り拓いていく。
彼の名前は、三木。元・中学校の体育教師。
地元・徳島へのUターンを機に、新しい世界へと飛び込んだ。
三木が丸久に入社した当初、アパレルの知識はゼロ。
「売上」や「利益」という概念すら、教育現場では意識したことがなかった。
しかし彼には、"知らないことを学ぶのが楽しい"という強烈な知的好奇心があった。
「知らないと勝負できないし、武器がない。だから自分からどんどん学びに行く。」
そんな姿勢で、業界の仕組み・素材・生産工程・顧客ニーズを一つずつ吸収していった。
彼の担当となった取引先は、最初こそ1品番、2品番の小さな発注しかなかった。
しかし、諦めずに継続して提案を重ね、顧客の声に耳を傾け、自らの知識を広げていくうちに、
少しずつ信頼が積み重なっていった。
さらに、丸久独自の"営業×MD一体型"というスタイルが、三木の挑戦を後押しした。
「自分で何を売るかを考えて、自分で作る。」
自らも企画を考え、担当チームのスタッフや工場と連携しながら商品を形にして提案するこの仕事は、
顧客にとっても"相談しやすいパートナー"としての信頼を築く要因になった。
三木が同じ取引先を担当し続けて、8年目。
その継続が、大きな成果に繋がっている。
最初は数品番だった取引が、今では1つの素材で60〜70品番に拡大。
金額にして"億単位の売上"を生み出すまでに成長した。
これは、単にMDとして成功したという話ではない。
顧客の声を拾い、商品開発に落とし込み、品質と信頼で結果を出す──
まさに"モノづくりで関係を築く"丸久らしい成功の形だ。
現在ではその取引先の窓口を一任され、新素材の開発・新市場の開拓に向けてチャレンジしている。
そして彼は、歩みを止めない。
「1つの素材から、もっと大きな価値を生み出したい。
海外展開にもつなげていきたい。」
その視線は、すでに次のステージ──世界へと向けられている。